更新日: 2026-09-17
就活セクハラの相談窓口、中小企業も2026年10月から義務に
2026年(令和8年)10月1日から、改正男女雇用機会均等法により、就職活動中の学生や転職活動中の求職者など「求職者等」に対するセクシュアルハラスメントの防止措置が、事業主の義務になります([厚生労働省 Webマガジン「求職活動等をする方を守るために ― 求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策の新ルール」](https://www.mhlw.go.jp/web_magazine/series/20260901.html))。
これまでの均等法は「労働者」に対するセクハラ防止を義務づけていましたが、今回の改正で保護の対象が、まだ雇用関係のない採用選考の段階にまで広がります。従業員規模を問わずすべての事業主が対象で、中小企業向けの適用猶予は設けられていません([厚生労働省「令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について」特設ページ](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00003.html))。
「求職者等」とは誰を指すのか
対象になるのは、採用面接の参加者、会社説明会の参加者、インターンシップや教育実習・看護実習の受講者、OB・OG訪問で会社を訪れる学生などです。一方で、もっぱら教育を目的とした社会科見学の参加者は対象外とされています。採用活動に関わるほぼすべての接点が対象になると考えておくのが安全です。
求められる4つの措置
厚生労働省が示す指針では、事業主が講じるべき措置として、次の4点が挙げられています。
- 方針の明確化と周知:セクシュアルハラスメントを許さない方針と、行為者には厳正に対処する方針を定め、従業員と求職者等の双方に周知する。面談を行う時間・場所や、連絡に使うSNSの種類などのルールも、あらかじめ明確にしておく。
- 相談窓口の整備と周知:相談を受け付ける窓口をあらかじめ定め、求職者等にもその存在を知らせる。窓口担当者が適切に対応できるようにしておく。
- 迅速かつ適切な対応:相談があった場合は事実関係を迅速かつ正確に確認し、必要に応じて被害を受けた側への配慮と、行為者への対応、再発防止策を講じる。
- プライバシー保護と不利益取扱いの禁止:相談した求職者等の情報を守り、相談や選考結果への影響を心配させないことを周知する。
なぜ今、義務化されるのか
厚生労働省の[「職場のハラスメントに関する実態調査」(令和5年度)](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000165756.html)によれば、2020〜2022年卒の学生のうち、インターンシップ以外の就職活動中にセクシュアルハラスメントを一度以上受けたと回答した人は31.9%にのぼります。企業の採用担当者との1対1の面談や、OB・OG訪問のような閉じた場面で起きやすいことが、対策を難しくしてきた背景です。今回の改正は、こうした調査結果を踏まえ、雇用関係の有無にかかわらず保護の対象を広げる形で行われました。
既存の従業員向けセクハラ対策との違い
すでに多くの会社は、従業員同士のセクシュアルハラスメントについて相談窓口を設けています。今回の義務化で新たに必要になるのは、その窓口(またはそれに準じる窓口)を、採用選考中の求職者等にも開放し、存在を知らせることです。窓口そのものを完全に別立てにする必要はなく、既存の窓口の対応範囲を求職者等にも広げ、募集要項や説明会の案内にその連絡先を明記する形で対応できます。
中小企業がつまずきやすい点
採用担当者が少ない中小企業では、「相談窓口を新しく作る余力がない」という悩みが多く聞かれます。しかし指針が求めているのは専任部署の新設ではなく、窓口の所在と連絡先を求職者等が実際に確認できる状態にしておくことです。採用ページや会社説明会の案内に、相談先の連絡先を明記するだけでも、周知の実効性は大きく変わります。
面接の日程調整をSNSの個人アカウントで行っている場合は、それ自体がルールの不透明さにつながりかねません。採用に使う連絡手段をあらかじめ決めておき、その旨を応募者に伝えることも、方針の明確化の一部です。
本記事は2026-09-17時点の公表情報にもとづいて作成しています。本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。個別の事案については社会保険労務士・弁護士等の専門家にご確認ください。
マドグチなら、相談窓口の連絡先を載せた公表ページと、求職者向けの相談受付フォームを、登録後すぐに用意できます。[マドグチで5点セットを無料で作ってみる](/pricing)