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更新日: 2026-09-18

ハラスメント相談窓口の設置、中小企業も義務です(対象と最小限の作り方)

「相談窓口の設置」と聞くと、専任の担当部署を持つ大企業向けの話だと考える経営者は少なくありません。しかし、職場のパワーハラスメントについては2022年4月1日から中小企業も含めたすべての事業主が対象で、猶予期間はすでに終わっています。さらに2026年(令和8年)10月1日からは、カスタマーハラスメントと求職者等に対するセクシュアルハラスメントの防止措置も新たに事業主の義務に加わります([厚生労働省「事業主が講ずべきハラスメント対策」パンフレット](https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf))。

法律が求めているのは「体制の整備」

労働施策総合推進法は、事業主の義務を次のように定めています。

事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

([厚生労働省「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました」](https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000611025.pdf)、労働施策総合推進法第30条の2)

条文が求めているのは「相談窓口を作ること」そのものではなく、相談に応じて適切に対応できる体制を整え、労働者に周知することです。窓口の看板を掲げただけで、従業員がその存在を知らなければ、義務を果たしたことにはなりません。

対象になるハラスメントは6種類

現時点で事業主に相談体制の整備が義務づけられているのは、次の6種類です(カスハラと求職者等セクハラは2026年10月1日から)。

  1. パワーハラスメント
  2. カスタマーハラスメント(2026年10月1日から)
  3. セクシュアルハラスメント
  4. 求職者等に対するセクシュアルハラスメント(2026年10月1日から)
  5. 妊娠・出産等に関するハラスメント
  6. 育児・介護休業等に関するハラスメント

窓口を種類ごとに分ける必要はなく、一つの窓口でまとめて受け付ける形で問題ありません。

中小企業でも専任者は不要

「専任の担当者を置く余裕がない」という悩みは、多くの中小企業に共通しています。厚生労働省のマニュアルも、比較的規模の小さい企業では経営者等が相談窓口の対応と対策の推進を兼ねる運用を想定しています([厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」](https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf))。専任部署の新設ではなく、「誰が相談を受け、どう対応するか」を決めて周知することが実質的な要件です。

窓口担当者を選ぶ際は、人権問題への理解があり、話の内容をむやみに他言しない人物が望ましいとされ、男女両方を含めることも推奨されています([あかるい職場応援団「人事担当の方」](https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/jinji/))。

最小限そろえる4点

  1. 方針の明文化:ハラスメントを許さない旨と、相談したことで不利益な扱いをしない旨を文書にする。
  2. 窓口の指定:経営者・総務担当など、誰が相談を受けるかを決める。
  3. 周知:就業規則や社内掲示、入社時の説明で窓口の存在を伝える。
  4. 対応手順:相談を受けた後、誰に報告し、どう事実確認するかをあらかじめ決めておく。

規模が小さいほど、この4点を文書として残しておくことが、後から「対応した」ことを説明できる材料になります。

「作った」で終わらせないために

方針や窓口の設置は、作った時点がゴールではありません。入社時の説明や、就業規則の改定時にあわせて窓口の連絡先を周知し直す、掲示物が色あせていないか年に一度は確認する、といった運用面のメンテナンスも、体制整備の一部として求められています。担当者が異動・退職した場合に、後任へ引き継ぐ手順を決めておくことも忘れずに行いましょう。

まとめ

ハラスメント相談窓口の設置は、規模の大小にかかわらず、すでに全事業主の義務です。専任部署を新設する必要はなく、経営者や総務担当者が兼任しつつ、方針の明文化・窓口の指定・周知・対応手順の4点を文書として残すことが、実務上の最小ラインになります。

本記事は2026-09-18時点の公表情報にもとづいて作成しています。本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。個別の事案については社会保険労務士・弁護士等の専門家にご確認ください。


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