マドグチ

更新日: 2026-09-18

ハラスメント相談窓口担当者、対応の手順を3段階で整理

相談窓口の担当者に任命されても、実際にどう対応すればよいかの手順が共有されていない会社は少なくありません。厚生労働省の「あかるい職場応援団」は、相談対応を「相談受付(一次対応)→事実関係の確認→対応案の検討と実施」という3段階で示しています([あかるい職場応援団「相談窓口の設置・運用」](https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/countermeasure/measures/inquiry_counter/))。

第1段階:相談受付(一次対応)

最初の面談で担当者が果たすべき役割は、事実の白黒をつけることではなく、相談者が安心して話せる場を作ることです。

  • 相談内容の秘密が守られること、相談したことで不利益な扱いを受けないことを、最初に明確に伝える。
  • 面談に限らず、電話やメールでも相談できるようにする。
  • プライバシーが確保できる個室を用意する。
  • 相談者の話を遮らず、1回50分程度を目安にじっくり聴く。

担当者が押さえるべき心構えとして、次のように示されています。

相談者の話をゆっくり、時間をかけて聴いて、内容の確認を急ぐあまり、話をせかすようなことはしないようにする。

一次対応の段階では、相談者の主張が正しいかどうかを担当者が勝手に判断しないことも重要です。

第2段階:事実関係の確認

一次対応で聞き取った内容をもとに、相談者の了解を得たうえで、行為者や第三者へのヒアリングに進みます。

  • ヒアリングは中立的な立場で行う。
  • 第三者への聴取では、守秘義務について事前に説明する。
  • 相談者の了解なく、事実確認を始めない。

あかるい職場応援団の「人事担当の方」向けページも、聞き取るべき項目として「行為者との関係性」「具体的な行為の内容と時期」「他の被害者の有無」「相談済みの有無」「現在の状況」「希望する解決方法」の6つを挙げています([あかるい職場応援団「人事担当の方」](https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/jinji/))。担当者は聞き取った内容を記録し、相談者本人に確認する作業までを1セットとして行います。

第3段階:対応案の検討と実施

事実確認の結果をもとに、被害の状況、行為の程度・頻度、就業規則の定め、過去の裁判例などを踏まえて対応案を検討します。対応の選択肢には、注意指導、謝罪、人事異動、懲戒処分などがあります。

相談しやすさへの配慮

相談者が同性の担当者を希望する場合に対応できるよう、窓口担当者は男女両方を含めて配置しておくことが望ましいとされています。また、対応は一度で終わらせず、行為者・相談者の双方に対して、その後の状況を継続的にフォローすることも担当者の役割です。

担当者が一人しかいない場合の工夫

小規模な会社では、相談窓口担当者が実質一人しかいないことも珍しくありません。その場合でも、相談者が同性を希望したときの代役や、担当者自身が当事者になった場合の代わりの連絡先を、あらかじめ一つだけでも決めておくと安心です。経営者本人が担当者を兼ねる会社であれば、税理士や社会保険労務士など、外部の相談先を一つ控えておくだけでも十分な備えになります。

判断に迷ったときの逃げ道を用意しておく

担当者一人ですべてを判断しようとすると、対応が遅れたり、誤った判断をしてしまうリスクがあります。社内に相談できる上長や、必要に応じて社会保険労務士・弁護士に相談できる連絡先を、担当者自身があらかじめ把握しておくことも、手順の一部として整えておきたい点です。「この段階まで進んだら、必ず上長に一報を入れる」という基準を決めておくと、担当者の心理的な負担も軽くなります。

手順を文書化しておく理由

3段階の流れを口頭で共有するだけでは、担当者が交代したときに引き継げません。誰が・どの段階で・何を確認するかを簡単な手順書にしておくと、初めて相談を受けた担当者でも迷わず動けます。手順書は完成させて終わりではなく、実際に相談を受けた後に「分かりにくかった箇所」を担当者自身に振り返ってもらい、少しずつ更新していくものと考えておくと、実態に合った内容を保てます。

まとめ

一次対応・事実確認・対応の検討という3段階を意識するだけで、担当者は「今どこまで進んでいるか」を自分で把握しやすくなります。相談しやすさへの配慮と、判断に迷ったときの相談先をあわせて整えておくことが、担当者一人に負担を集中させない体制づくりにつながります。

本記事は2026-09-18時点の公表情報にもとづいて作成しています。本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。個別の事案については社会保険労務士・弁護士等の専門家にご確認ください。


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